「飛騨の円空」展に行ってきました

東照宮の冬牡丹
東照宮の冬牡丹

東博で開催されている「飛騨の円空」展に行ってきました。円空仏というと鉈彫りで粗削りなところが惹かれる仏像という感覚でしたが、「両面宿儺(すくな)坐像」(千光寺)を始めとして会場出口近くにあった「千手観音菩薩立像」(清峰寺)等、丁寧に木を削りこみ、細かな部分を作りこんだり、千手観音では他の木で千手をはめ込んだりと普段では見ることができないような仏像がたくさんありました。生涯に12万体もの仏像を作ったといわれている円空さん、「不動明王および二童子像」の様に、神様が宿る木の個性に合わせて一本の木を割って三個の仏像を彫りだすなど魅力満載でした。また、簡素な彫りで表現している「三十三観音像」(千光寺)等は、トルソーではないですが、見る側に想像力をかき立たせてくれる抽象的な仏像ということができるのではないでしょうか。まさに仏が宿った庶民が拝む仏像であると感じました。

もう一つ、感心したのは照明の演出です。それぞれの仏像の個性に合わせて照明が工夫されていてとても見やすいのです。昨日のテレビでやっていましたが、作品を観やすくする美術館サイドの工夫もハイテクを駆使するなどかなりの高レベルの様です。絵画などではガラス越しに鑑賞するので、以前は、背の低い私などは時々照明がガラス面に反射して観難いことがあったのですが、観やすい特殊なガラスを使用するなど最近の展覧会ではそういうことがとても少なりました。

東博を出た後、上野東照宮のボタン苑が見頃という看板が出ていたので、久しぶりに冬牡丹を観てきました。